![]() リチウム電池
专利摘要:
リチウムを含むアノードと、二硫化鉄(FeS2)及び炭素粒子を含むカソードと、を有する一次電気化学電池。電池は、カソード理論容量に比してアノード理論容量(ミリアンペア時)が多くなるようバランスがとられている。アノード及びカソードは、セパレータを間に介し渦巻状に巻回して電池ケーシング内に挿入することができ、次いで電解質を添加する。電解質は、有機溶媒に溶解したリチウム塩を含む。 公开号:JP2011507154A 申请号:JP2010536570 申请日:2008-12-03 公开日:2011-03-03 发明作者:エレーナ、クツネツォバ;スティーブン、ジェイ.スペクト;ブペンドラ、ケイ.パテル;フレッド、ジェイ.バーコウィッツ;マイケル、ポジン 申请人:ザ ジレット カンパニー; IPC主号:H01M6-16
专利说明:
[0001] 本発明は、リチウムを含むアノード及び二硫化鉄を含むカソードを有し、カソードの理論容量に対するアノードの理論容量比が1.0より大であるリチウム一次電池に関する。] 背景技術 [0002] 一次(非充電式)電気化学電池でリチウムのアノードを有するものが知られ、広く商業的に利用されている。アノードは、本質的にリチウム金属から構成されている。かかる電池は通常、二酸化マンガンを含むカソードと、非水溶媒に溶解されたリチウム塩、例えばトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を含む電解質と、を有する。この電池は当該技術分野では一次リチウム電池として言及され、一般には充電は意図されていない。一般の一次リチウム電池は、35mmカメラ駆動用に用いられる、リチウムのアノード及びMnO2を含むカソードを有している(Li/MnO2電池)。これに代わる一次リチウム電池で、アノードはリチウム金属であるが、カソードが異なるものも知られている。かかる電池は例えば、二硫化鉄(FeS2)を含むカソードを有し、Li/FeS2電池と呼ばれている。二硫化鉄(FeS2)はまた、黄鉄鉱としても知られている。] [0003] Li/MnO2電池又はLi/FeS2電池は通常、円筒形電池の形態で、セパレータシートを間に介して巻回された電極を有する、典型的には単3若しくは単4サイズの電池、又は2/3Aサイズの電池である。Li/MnO2電池は、従来のZn/MnO2アルカリ電池の2倍である約3.0Vの電圧を有し、かつ、エネルギー密度(電池体積1cm3あたりのワット時)もアルカリ電池のエネルギー密度より高い。Li/FeS2電池は、約1.2〜1.8Vの電圧(未放電)を有し、これは従来のZn/MnO2アルカリ電池とほぼ同じである。にもかかわらず、Li/FeS2電池のエネルギー密度(電池体積1cm3あたりのワット時)は、同等サイズのZn/MnO2アルカリ電池よりも非常に高い。リチウム金属の理論特定容量は、3861.4ミリアンペア時/gと高く、FeS2の理論特定容量は、893.6ミリアンペア時/gである。FeS2の理論容量は、鉄元素Fe及び2Li2Sの反応生成物をもたらす、FeS2の1分子あたり4Liからの4個の電子移動に基づく。すなわち、4個の電子のうち2個は、FeS2中のFe+2の価数状態をFeへと還元し、残りの2個の電子が、硫黄の価数をFeS2中の−1からLi2S中の−2へと還元する。電気化学反応を起こすためには、アノードで生成されたリチウムイオンLi+が、セパレータ及び電解質媒質を通過してカソードまで移動しなければならない。] [0004] Li/FeS2電池全体は、同じサイズのZn/MnO2アルカリ電池よりもかなり強力である。すなわち、所与の連続消費電流、特に、200ミリアンペアを超える高い消費電流に対して、電圧対時間放電プロファイルに反映されるように、Li/FeS2電池の電圧は、Zn/MnO2アルカリ電圧ほど速く下がらない。この結果、Li/FeS2電池から得られるエネルギー出力は、同じサイズのアルカリ電池で得られるエネルギー出力より高くなる。また、未放電の電池を0.01W〜5Wの低い範囲の一定の連続出力で最後まで放電して得られる、エネルギー(ワット時)対定電力連続放電(W)のグラフでは、Li/FeS2電池の方がエネルギー出力が高いことが、より一層明白に示される。かかる試験では、消費電力を、0.01W〜5Wの間で選択される一定の連続出力に維持する。(放電中に電池電圧が降下するにつれ負荷抵抗が徐々に低下し、消費電流が増加して、一定の定電力出力を維持する。)Li/FeS2電池のエネルギー(ワット時)対電力出力(W)のグラフ線は、同じサイズのアルカリ電池のそれよりもかなり上方にある。それにもかかわらず、電池の起動電圧(開放電圧)は両方ともほぼ同じ、すなわち約1.2〜1.8Vである。] [0005] したがって、Li/FeS2電池は、同じサイズのアルカリ電池、例えば、単6、単4、単3、単2、又は単1サイズの電池、又はその他のいずれかのサイズの電池に比べ、従来のZn/MnO2アルカリ電池と互換可能に利用でき、特により高い電力需要に対してより長い使用寿命を有するという点で優れている。同様に、一次式(非充電式)であるLi/FeS2電池は、同じサイズの充電式ニッケル水素電池の代替品として用いることができ、LiFeS2電池とほぼ同じ電圧(未放電)を有する。] [0006] 電気化学電池のアノード及びカソードは、アノード又はカソードのいずれかの理論容量(ミリアンペア時)の方が多くなるようにバランスをとることができる。例えば、Zn/MnO2アルカリ電池は通常、カソードの理論容量がアノードの理論容量より大となるようにバランスをとっている。例えばアノードの理論容量に対するカソードの理論容量の比が約1.05である旨の記載がある、米国特許第6,585,881B2号、15段目、33〜36行目を参照。米国特許第6,849,360B2号及び同第7,157,185B2号には、Li/FeS2電池において、カソードに対するアノードの「入力比」が1.0未満又は同等となるようにアノード及びカソードのバランスをとるべきであると指摘されている。参考文献の米国特許第6,849,360号及び同第7,157,185号にて用いられている「入力比」という用語は、計算上はカソードに対するアノードの理論容量比と同じ数値となる。したがって、界面積に基づく「入力比」という用語と、「カソードに対するアノードの理論容量比」という2つの用語は同等であるが、’360号及び’185号特許においては、カソードの理論容量が、FeS2がカソード中の唯一の電気化学的活物質であることに完全に基づいている点のみ異なる。これら後者の2参考文献ではFeS2以外のカソード活物質は考慮されていないため、カソードの理論カソード容量はカソード中のFeS2の存在にのみ基づいている。] [0007] アノード理論容量という用語をより良く定義するには、アノード中の全てのアノード活物質の理想容量(ミリアンペア時)の算出を必要とし、また、カソード理論容量は、カソード中の全てのカソード活物質の理想容量(ミリアンペア時)の算出を必要とする。本願明細書で用いる場合のこれらアノード理論容量及びカソード理論容量という用語はそのように定義されると理解するものとする。「アノード活」物質及び「カソード活」物質とは、それぞれアノード及びカソード中にあって、有用な電気化学放電が可能な物質と定義される。すなわち、「アノード活物質」及び「カソード活物質」は、電池の負極端子と正極端子との間に外部回路が接続されて電池が正常な方法で用いられるとき、これら端子間の電流の流れを促進するものである。] [0008] 従来のZn/MnO2又はLi/FeS2一次電池においては、カソード理論容量がアノード理論容量より大となるよう電池のバランスをとることが望ましいと考えられている。この1つの理由は、カソード活物質はアノード活物質より放電効率が低いからである。すなわち、カソード活物質はアノード活物質より、カソード利用率(電池放電中に実際に得られるカソード理論容量パーセント)が低い。その結果、電池は普通、電池が完全放電したとき、微量のアノード活物質が電池内に残る場合は、カソードの理論容量の方が多くなるようバランスがとられている。しかしながら、Li/FeS2電池において、米国特許第6,849,360B2号及び同第7,157,185B2号のようにカソードを多くするこの方法でバランスをとると、電池が放電し続けるにつれリチウムアノード表面に不連続部が生じる恐れがある。すなわち、電池放電が進むと、リチウムアノード層は薄くなっていき、最終的には、アノード物質を負極端子に電気接続しているアノード集電体とアノードとの間の電気接続の「分断」に至る可能性がある。これは当然ながら、電池性能の遅延又は予測される終止電圧に至る前の恒久的破壊につながり得る。] [0009] Li/FeS2電池は、リチウムアノードと水との反応性が高いため、有機電解質溶媒に溶解したリチウム塩から形成される電解質を必要とする。Li/FeS2電池の製造に関連する問題点の1つは、Li/FeS2及び炭素粒子を互いにカソード内で結合するための良好な結合剤材料を、カソード配合物に添加する必要性があることである。結合剤材料はまた、カソードコーティングが塗布される基材上に均一及び強固に接着するよう充分な接着性を有していなければならず、かつ、電解質の化学的浸食に抗するものでなければならない。] [0010] カソード材料は、最初にスラリー混合物の形態で調製してもよく、それを従来のコーティング法によって基材上、好ましくは金属基材上に容易にコーティングすることができる。電池に添加される電解質は、必要な電気化学反応を、所望の高出力範囲にわたって効率良く引き起こすことができる、Li/FeS2系に好適な電解質でなければならない。電解質は、良好なイオン伝導度を示し、また十分に安定でなければならず、すなわち未放電の電極材料(アノード及びカソード構成成分)に対して非反応性であり、かつ、放電生成物に対しても非反応性でなければならない。これは、電解質と電極材料(放電済み又は未放電のいずれでも)との間で望ましくない酸化/還元反応が起きると、それによって電解質が徐々に汚染され、その有効性が低下するか又はガスが過剰に発生する可能性があるためである。この結果、電池の壊滅的な故障につながる可能性がある。したがって、Li/FeS2電池中で用いられる電解質は、必要な電気化学反応を促進することに加えて、更に、放電済み又は未放電の電極材料に対して安定でなければならない。加えて、電解質は、リチウムイオンが必要な還元反応に関与してカソードでLi2Sを生成できるように、イオン移動度を良好にしリチウムイオン(Li+)をアノードからカソードへ移送させられるものでなければならない。] [0011] 一次リチウム電池は、フラッシュ付きデジタルカメラ用電源として利用されているが、カメラは個別のアルカリ電池により供給されるよりも高いパルス電力要求値で作動する必要がある。一次リチウム電池は、従来、リチウム又はリチウム合金のシートから形成されたアノードと、導電性金属基材(カソード基材)上にMnO2又はFeS2を含むカソード活物質をコーティングして形成されるカソードと、これらの間に介される電解質透過性セパレータ材料のシートと、を具備する電極複合体から形成されている。電極複合体は例えば、米国特許第4,707,421号に示されているように、渦巻状に巻回されて電池ケーシング内に挿入することができるLi/FeS2電池用のカソードコーティング混合物は、米国特許第6,849,360号に記載されている。通常は、アノードシートの一部が電池ケーシングと電気的に接続されて、電池の負極端子を形成している。電池は、ケーシングから絶縁されたエンドキャップで閉じられている。カソードシートは、電池の正極端子を形成するエンドキャップに電気的に接続することができる。ケーシングは通常、絶縁体ディスクを間に介してエンドキャップの周縁に加締められ、ケーシングの開口端を封止している。電池は、短絡放電又は過熱などの悪条件にさらされた場合に電池を遮断する(電池の内部抵抗を高める)よう、PTC(正温度係数)デバイス等を内部に装備していてもよい。] [0012] Li/FeS2電池中のアノードは、銅などの金属基材上にリチウム層を積層することによって形成することができる。但し、アノードは、基材を全く含まずにリチウム又はリチウム合金シートから形成してもよい。] [0013] Li/FeS2一次電池で用いられる電解質は、「有機溶媒」中に溶解した「リチウム塩」から形成される。Li/FeS2一次電池用の電解質に用いることのできる代表的なリチウム塩は、米国特許第5,290,414号及び同第6,849,360B2号で言及されており、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、LiCF3SO3(LiTFS);リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、Li(CF3SO2)2N(LiTFSI);ヨウ化リチウム、LiI;臭化リチウム、LiBr;テトラフルオロ臭素酸リチウム、LiBF4;六フッ化リン酸リチウム、LiPF6;六フッ化ヒ酸リチウム、LiAsF6;Li(CF3SO2)3C、及び様々な混合物などの塩が挙げられる。Li/FeS2の電気化学分野において、特定の塩は特定の電解質溶媒混合物と共に作用可能であり、リチウム塩は単純に互換可能なわけではない。] [0014] 米国特許第5,290,414号(Marple)には、FeS2電池に有益に使用される電解質が報告されており、この電解質は、非環状(環状ではない)エーテル系溶媒である第2の溶媒と混合した1,3−ジオキソランを含む溶媒に溶解されたリチウム塩を含む。言及されているような非環状(環状ではない)エーテル系溶媒は、ジメトキシエタン(DME)、エチルグリム、ジグリム及びトリグリムであってもよく、1,2−ジメトキシエタン(DME)が好ましい。実施例に示されるように、1,2−ジメトキシエタン(DME)は、相当量、すなわち40体積%又は75体積%のいずれかの量で電解質に存在する(7段目、47〜54行)。このような溶媒混合物中でイオン化可能な特定のリチウム塩は、実施例に示されるように、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、LiCF3SO3である。別のリチウム塩、すなわちリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、Li(CF3SO2)2Nも、7段目、18〜19行に記載されている。参考文献は、3,5−ジメチルイソキサゾール(DMI)、3−メチル−2−オキサゾリドン、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルカーボネート(DEC)、亜硫酸エチレングリコール(EGS)、ジオキサン、硫酸ジメチル(DMS)及びスルホラン(請求項19)から選択される、第3の溶媒を所望により追加することができ、好ましくは3,5−ジメチルイソキサゾールであることを教示している。] [0015] 米国特許第6,849,360B2号(Marple)には、Li/FeS2電池用の電解質が開示されており、この電解質は、1,3−ジオキソラン(DX)、1,2−ジメトキシエタン(DME)及び少量の3,5ジメチルイソキサゾール(DMI)を含む有機溶媒混合物に溶解されたヨウ化リチウム塩を含む(6段目、44〜48行)。] [0016] 米国特許出願第2007/0202409A1号(Yamakawa)には、Li/FeS2電池の電解質溶媒に関し、33段落に次の記述がある。「有機溶剤は例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、及びジプロピルカーボネートが挙げられ、これらのうちの1つ若しくは2つ以上を独立して、又は混合溶媒の形態で用いることができる。」 このような記述は、電解質溶媒の特定の組み合わせが、溶媒中に溶解される特定のリチウム塩に拠るLi/FeS2電池用として作用可能であろうことを教示するのみであり、誤解を招く恐れがある。(例えば上述の米国特許第5,290,414号及び同第6,849,360号を参照。)Yamakawaによる参考文献は、上に列挙した溶媒のいずれの組み合わせが所与のリチウム塩とともに使用されるものかを教示していない。] [0017] このように、いずれかの1つ以上のリチウム塩と併用してLi/FeS2電池に好適な電解質を製造するために特定の有機溶媒又は異なる有機溶媒の混合物を選択することは困難であることが、上記の代表的な参考文献から明らかであろう。このことは、リチウム塩と有機溶媒との組み合わせの多くが、全く使い物にならないLi/FeS2電池をもたらすということではない。むしろ、既知のリチウム塩と有機溶媒とをただ組み合わせて形成される電解質を利用した、このような電池に関する課題とは、かなり根本的な問題に直面する可能性が高く、そのために電池の商業的な使用が実用的ではない。一般に、リチウム電池の開発史が示すように、例えば非充電式Li/MnO2又はLi/FeS2電池のようなリチウム一次電池であれ、充電式リチウム電池又はリチウムイオン電池であれ、リチウム塩と有機溶媒とをただ組み合わせるだけでは、良好な電池、すなわち良好で信頼性のある性能を示すものは得られないと予想できる。したがって、Li/FeS2電池で使用可能な有機溶媒を長々と羅列するだけの参考文献は、特定の効果又は予期せぬ効果を示す溶媒の組み合わせ又は特定の溶媒混合物中の特定のリチウム塩の組み合わせを教示しているとは必ずしも言えない。] 先行技術 [0018] 米国特許第6,585,881B2号 米国特許第6,849,360B2号 米国特許第7,157,185B2号 米国特許第6,849,360号 米国特許第7,157,185号 米国特許第4,707,421号 米国特許第5,290,414号 米国特許出願第2007/0202409A1号] 発明が解決しようとする課題 [0019] したがって、利用率(効率)を向上させたカソードを有し、電池の性能改良という面で効果をもたらすLi/FeS2電池の製造が望まれる。] [0020] FeS2電池を、カソード理論容量に対しリチウムアノード物質が理論容量(ミリアンペア時)においてより多くなるようにバランスをとり、電池放電中にアノードリチウム層が次第に薄くなる際にアノード物質とアノード集電体との間の電気接続が分断される恐れを低減することが望ましい。] [0021] Li/FeS2巻回型電池内のアノード/カソード界面面積を増加させ、この結果、容量を減らすことなくより薄いカソードを得ることが望ましい。] [0022] デジタルカメラ駆動用の充電式電池の代わりに使用できるよう良好な速度能力を有する、一次(非充電式)Li/FeS2電池を製造することが望ましい。] 課題を解決するための手段 [0023] 本発明は、アノードがリチウム金属を含む、リチウム一次電池を対象とする。リチウムは、少量の他の金属、例えばアルミニウムとの合金であってもよく、これは通常、リチウム合金のうち約1又は2重量%未満を成す。アノード活物質を形成するリチウムは、好ましくは薄い箔の形態である。電池は、一般に「黄鉄鉱」と呼ばれる、カソード活物質の二硫化鉄(FeS2)を含むカソードを有する。電池はボタン(コイン)型又は平板型電池の形態とすることができる。望ましくは、電池は、アノードシート及びカソード複合体シートを、セパレータを間に介して渦巻状に巻回して成る、渦巻状巻回型電池の形態であるとよい。カソードシートは、基材上、好ましくは導電性金属基材上に二硫化鉄(FeS2)及び炭素粒子を含むカソード混合物をコーティングするスラリー工程を用いて製造される。FeS2及び炭素粒子は、望ましくはエラストマー材料、好ましくはスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、例えば、クレイトン(Kraton)G1651エラストマー(テキサス州ヒューストンのクレイトン・ポリマーズ(Kraton Polymers))を用いて基材に結合される。このポリマーは被膜形成剤であり、FeS2粒子のみならずカソード混合物中の導電性炭素粒子添加剤に対しても良好な親和性及び凝集特性を有する。ポリマーは電解質の化学的浸食に抗する。] [0024] カソードは、二硫化鉄(FeS2)粉末、導電性炭素粒子、結合剤材料、及び溶剤を含むカソードスラリーから形成される。(本明細書で使用される場合の「スラリー」という用語は辞書で定義される通常の意味を有し、すなわち、固形粒子を含む湿式混合物を意味すると理解するものとする。)湿式のカソードスラリーは、アルミニウム又はステンレススチールシートのように好ましくは導電性の基材上にコーティングされる。基材は、カソード集電体として機能する。次いで溶媒を蒸発させると、二硫化鉄材料及び好ましくはカーボンブラックを含む炭素粒子とが互いに接着結合されて含まれる乾燥カソードコーティング混合物が残り、この乾燥コーティングは基材と結合している。好ましいカーボンブラックはアセチレンブラックである。炭素は、所望により、これに混入されたグラファイト粒子を包含してもよい。] [0025] 湿式カソードスラリーを基材上にコーティングした後、2006年9月6日に出願された同一出願人による米国特許出願第11/516534号に開示されるように、コーティング済みの基材をオーブンに入れ、溶媒が蒸発するまで高温で加熱する。この結果得られる生成物は、二硫化鉄及び炭素粒子を含む乾燥カソードコーティングであって、導電性基材に結合されている。カソードは乾燥状態で好ましくは4重量%以下の結合剤及び85〜95重量%のFeS2を含有する。固形分含有量、すなわち、湿式カソードスラリー中のFeS2粒子及び導電性炭素粒子は、一般的には55〜70重量%である。カソードスラリーの粘度範囲は、約3500〜15000mPas(mPas=mNewton×sec/m2)である。リチウム金属を含むアノードと、二硫化鉄を含むカソードとを、間にセパレータを介して電池ハウジング内に挿入した後、非水電解質を電池に添加する。] [0026] 本発明の主な態様において、Li/FeS2電池のリチウムアノード表面上に不連続部が発生する恐れは、アノードの理論容量(ミリアンペア時)がカソードの理論容量(ミリアンペア時)より大となるよう電池のバランスをとることで低減されることが判明した。これにより、電池放電中にリチウムアノードが薄くなるにつれ、リチウムアノードの表面に不連続部が発生したり、又はアノード集電体との電気接触が分断されてしまう可能性が低くなる。本発明によれば、Li/FeS2電池は、電池サイズにかかわらず、アノード対カソード理論容量比が1.0より大となるようバランスをとることが望ましい。すなわち、電池は、カソードの理論容量に比してアノードが理論容量において多くなるようバランスをとる。好ましくは、Li/FeS2電池は、電池サイズにかかわらず、アノード対カソード理論容量比が約1.02〜1.20、望ましくは約1.05〜1.15となるようバランスをとる。例えば、Li/FeS2電池サイズは、円筒型単3若しくは単4サイズ又はこれより小さい若しくは大きいサイズとすることができる。アノード理論容量及びカソード理論容量は、アノード部及びカソード部が放電可能であるようにしてこれらの間にセパレータを介したアノード部及びカソード部を基準としていると理解するものとする。] [0027] 本発明の別の態様では、上に示したLi/FeS2電池のバランスは、例えば円筒形単3又は単4サイズなど、所与のサイズの巻回型電池について、界面面積の増加に伴って実現される。界面積とは、アノード及びカソードが放電可能であるようにしてこれらの間にセパレータを介したアノードとカソードとの間の最大対向面積である。本明細書に記載される面積の記号(cm2)は、別段示さない限り、アノードとカソードとの間の界面積に適用されると理解するものとする。例えば、単3サイズの電池においては、アノードとカソードとの間の界面積は約250cm2より大きいレベル、好ましくは約250〜400cm2、望ましくは300cm2にまで増加される。(現在のところ、商業用単3サイズのLi/FeS2巻回型電池のアノードとカソードとの間の界面面積は約220cm2である。)アノードとカソードとの間の界面面積を増加することにより、界面面積(cm2)に対するカソード理論容量(ミリアンペア時)比は減少する。これにより、所与の電流消費率に対する電流密度(ミリアンペア/cm2)も減少する。界面積に対するカソード理論容量比が減少すると、一般に薄型カソードではそうなる通り、カソードの放電「利用率」が改善される。(本明細書で用いる場合の「利用率」という用語は、カソード又はアノードのうち特定される一方の、電池放電中に実際に得られる理論容量のパーセントである。) 界面面積は、薄型カソードであっても、電池の全容量を減らすことなく増加することが望ましい。カソード利用率の向上は、デジタルカメラ駆動に要する高率放電時により明白となる。本発明によれば、特に単3サイズのLi/FeS2巻回型電池の場合、界面積に対するカソード理論容量比は約11〜15ミリアンペア時/cm2である。基材の各面にカソード物質をコーティングした場合は、11〜15ミリアンペア時/cm2の前述の比が各面に適用される。(現在のところ、商業用単3サイズのLi/FeS2巻回型電池の場合、界面積に対するカソード理論容量比は基材1面につき約17である。) 円筒形単4サイズのLi/FeS2巻回型電池に適用した場合の本発明の別の態様において、カソード中にカソード活物質が充分に装填されるようカソードは基材の各面にコーティングするのが好ましく、この結果、界面積に対するカソード理論容量比は、基材1面につき約9〜17ミリアンペア時/cm2、好ましくは基材1面につき約11〜15ミリアンペア時/cm2となる。単4サイズのLi/FeS2電池の場合、アノード/カソード界面積は望ましくは約100cm2より大きく、好ましくは約150〜200cm2である。] [0028] 本発明の別の態様において、セパレータは、従来リチウム電池において使用されるものよりやや薄い、微多孔性ポリエチレン又は微多孔性ポリプロピレンであることが望ましい。本明細書のLi/FeS2巻回型電池に適用される場合のセパレータは、望ましくは約0.008〜0.025、例えば約0.016mmの厚みを有する。] 図面の簡単な説明 [0029] 円筒形電池実施形態で表されるような、本発明の改良されたLi/FeS2電池の等角図。 電池の上部及び内部を示すために図1の透視線2−2で切断された電池の部分横断立面図。 渦巻状巻回型電極アセンブリを示すために図1の透視線2−2で切断された電池の部分横断立面図。 電極アセンブリを構成する層の配置を示す模式図。 図4の電極アセンブリの、それぞれの層をその下にある層が見えるように部分的に剥離した平面図。] 図1 図4 [0030] 本発明のLi/FeS2電池は望ましくは、図1〜5に示すように、渦巻状巻回型電池の形態である。リチウムアノード40と、二硫化鉄(FeS2)を含むカソード複合体62と、これらの間に介在するセパレータシート50と、を具備する巻回型電池10の望ましい構造を図に示す。アノードは、リチウム又はリチウム合金40のシートを具備してもよい。カソード複合体は、図4及び5に最もよく示されるように、基材65の少なくとも1面にコーティングされた二硫化鉄(FeS2)を含むカソード材料60のコーティングを含んでもよい。カソード材料60はまた、基材65の両面にコーティングしてもよい。まずカソードコーティング60を湿式カソードスラリーとして基材65の少なくとも1面上にコーティングし、乾燥させる。好ましくは、湿式カソードスラリーは基材65の1面上にコーティングし、乾燥させる。好ましくは、同じ湿式カソードスラリー組成物を、次いで基材65の反対面にもコーティングしたのちに乾燥させ、これにより基材65の両面に乾燥カソードコーティング60を形成する。基材又はグリッド65は、好ましくは、例えばアルミニウムのシート又はステンレススチール箔のような、導電性基材である。基材65は、開口のない連続固体シートであってもよいし、又は、例えばエキスパンド加工されたステンレススチール箔若しくはエキスパンド加工されたアルミニウム箔から形成された、開口のあるシートであってもよい。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0031] アノード40は、リチウム金属の固体シートから作製することができる。アノード40は、望ましくはリチウム金属(純度99.8%)の連続シートから形成される。あるいは、アノード40は、リチウムと合金金属との合金、例えば、リチウム及びアルミニウムの、又はリチウム及びカルシウムの合金とすることもできる。かかる場合、合金金属は、極少量、好ましくはリチウム合金の1又は2重量%未満で存在する。したがって、合金中のリチウムは、電池の放電時に純粋なリチウムとして電気化学的に作用する。したがって、本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合の「リチウム又はリチウム金属」という用語は、そのようなリチウム合金をその意味に含むものとする。アノード40を形成するリチウムシートは、基材を必要としない。リチウムアノード40は、厚さが望ましくは約0.10〜0.20mm、望ましくは約0.12〜0.19mmのリチウム金属の押出成形シートから好都合に形成することができる。] [0032] 本発明によれば、Li/FeS2巻回型電池は、アノード活物質がより多くなるようなアノード対カソードバランスを有するよう設計される。(本明細書で用いる場合の「アノード活物質」又は「カソード活物質」という用語は、アノード又はカソードそれぞれにおける有用な電気化学放電に関与する物質を意味する。)Li/FeS2巻回型円筒形電池構造を代表する電池10は、アノード理論容量(ミリアンペア時)がカソード理論容量より大となるようバランスがとられている。カソード理論容量に対するアノード理論容量比が1.0より大、望ましくは約1.02〜1.20、例えば約1.05〜1.15である。アノード理論容量とは、別段特定しない限り、アノード中の全てのアノード活物質の理論容量(ミリアンペア時)の合計である。カソード理論容量とは、別段特定しない限り、カソード中の全てのカソード活物質の理論容量(ミリアンペア時)の合計である。アノード及びカソードの理論容量は、アノード及びカソード中の活物質が放電可能であるようにしてセパレータを間に介して互いに対向しているアノード層及びカソード層の部分にのみ適用されると理解するものとする。また、アノード理論容量(ミリアンペア時)及びカソード理論容量(ミリアンペア時)はそれぞれ、有用に放電している全ての「アノード活物質」及び全ての「カソード活物質」それぞれに基づくものとする。すなわち、これら活物質について、電池内で起きる正常な放電反応に応じた、100パーセントのアノード活物質利用率、及び100パーセントのカソード活物質利用率それぞれに基づく。] [0033] 上に示したLi/FeS2電池バランス(アノード理論容量(ミリアンペア時)がカソード理論容量(ミリアンペア時)より大きい)は、好ましくは、例えば単3又は単4サイズ電池など、所与のサイズの巻回型電池について、界面面積の増加に伴って実現される。例えば、単3サイズの電池においては、アノードとカソードとの間の界面面積は約250cm2より大きいレベル、好ましくは約250〜400cm2、望ましくは300cm2にまで増加される。界面積とは、間にセパレータを介したアノードとカソードとの間の対向面積である。アノードとカソードとの間の界面面積を増加することにより、界面面積(cm2)に対するカソード理論容量(ミリアンペア時)比は減少する。これにより、所与の電流消費率(ミリアンペア)に対する電流密度(ミリアンペア/cm2界面積)も減少する。界面積に対するカソード理論容量比が減少すると、一般に薄型カソードではそうなる通り、カソードの放電利用率が改善される。(本明細書で用いる場合の「利用率」という用語は、電池放電中に実際に得られる理論容量のパーセントである。)界面面積は、薄型カソードであっても、電池の全容量を減らすことなく増加することが望ましい。カソード利用率の向上は、デジタルカメラ駆動に要する高率放電時により明白となる。] [0034] Li/FeS2電池を、本発明に従いアノード理論容量(ミリアンペア時)がカソード理論容量(ミリアンペア時)より大となるようにバランスをとると、リチウムアノード表面上に不連続部による「分断」が発生する可能性が低くなる。このような不連続部は放電性能の悪化原因となり、リチウムアノードシートの厚みがカソード容量に対して小さすぎるなど、カソードが理論容量において超過の場合により発生しやすい。また、本発明に従いアノード理論容量(ミリアンペア時)がカソード理論容量(ミリアンペア時)より大となるように電池のバランスをとると、電池の放電カーブ(電圧対時間)の勾配が、電池が有用な放電寿命の終了点に達するかなり前の時点からより顕著となりやすい。これは、電池が寿命終了に近づいていることを認識する機会をもたらす。このような特徴は、例えば医療用途においては極めて重要となる。] [0035] 本発明によれば、特に単3サイズのLi/FeS2巻回型電池の場合、界面積に対するカソード理論容量比は約9〜17ミリアンペア時/cm2、好ましくは約11〜15ミリアンペア時/cm2である。基材65の各面にカソード物質60でコーティングした場合は、11〜15ミリアンペア時/cm2の前述の比が各面に適用される。] [0036] 電池10のようなLi/FeS2電池の基本的な放電反応(一段階機構)は次の通りである。 アノード: 4Li=4Li++4e 式1 カソード: FeS2+4Li++4e=Fe+2Li2S 式2 全体: FeS2+4Li=Fe+2Li2S 式3] [0037] Li/FeS2円筒形電池10は、一次(非充電式)電池の形態とすることができる。] [0038] FeS2の理論特定容量(ミリアンペア時/g)は、2個の電子がFe+2を鉄元素Feに還元し、2個の電子がS−1を2S−2に還元してFe+2Li2Sを形成する、1分子あたり4個の電子移動に基づいて、次のように算出することができる。FeS2の分子量(Mw)は119.97で、LiのMwは6.941である。1電子の電荷qoは1電子あたり1.602×10−19クーロンである。1クーロン=1アンペア秒。アボガドロ数A0は、1モルあたりの分子数が6.023×1023個である。仮にF=qo×A0×3600秒/時=26.802アンペア時とする。FeS2の理論特定容量は、26.802×4/119.97=0.8936アンペア時/g=893.6ミリアンペア時/gと算出することができる。Liの理論特定容量は、26.802×1/6.941=3.8614アンペア時/g=3861.4ミリアンペア時/gと算出することができる。] [0039] 好ましいカソードスラリー混合物を表1に示す。] [0040] これと同一又は同様の湿式カソードスラリー混合物(電解質が電池に未添加のもの)は、2006年9月6日に出願された同一出願人による米国特許出願第11/516,534号に開示されている。湿式カソードスラリー混合物の固体含有量合計は、上記表1に示されるように、66.4重量%である。したがって、乾燥カソード中のFeS2含有量は、58.9/66.4=88.7重量%となるであろう。] [0041] Li/FeS2電池は、図1に示すように円筒形電池10の構成であってもよい。円筒形電池10は、図2〜5に示すように、セパレータシート50を間に介して渦巻状に巻回したアノードシート40とカソード60とを有することができる。Li/FeS2電池10の内部構造は、カソード組成物が異なること以外は、米国特許第6,443,999号に示され記載されている、渦巻状巻回構造と同様とすることができる。アノードシート40は図に示すように、リチウムメタルを含み、カソードシート60は一般に「黄鉄鉱」として知られる二硫化鉄(FeS2)を含む。電池は好ましくは図に示すように円筒形であり、例えば単6(42×8mm)、単4(44×10mm)、単3(50×14mm)、単2(49×25.5mm)及び単1(60×33mm)など、いずれのサイズであってもよい。したがって、図1に示す電池10はまた、2/3A電池(35×15mm)であってもよい。但し、電池構造を円筒形状に制限することを意図しているわけではない。あるいは、本発明の電池は、リチウム金属を含むアノードと、本明細書に記載される、組成物を有する二硫化鉄(FeS2)を含むカソードと、非水電解質とを有する、渦巻状に巻回された角型電池の形態、例えば、全体的に立方体形状の矩形の電池であってもよい。Li/FeS2電池は、渦巻状巻回構造に限定されるものではなく、アノードとカソードは例えば、コイン電池での使用のために積層配置としてもよい。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0042] 渦巻状巻回型電池の場合、電池ケーシング(ハウジング)20の好ましい形は、図1に示すような円筒形である。ケーシング20は、好ましくはニッケルめっきスチールから形成される。電池ケーシング20(図1)は、連続的な円筒形表面を有する。間にセパレータ50を介したアノード40及びカソード複合体62を含む渦巻状巻回型電極アセンブリ70(図3)は、平板状の電極複合体13(図4及び5)を渦巻状に巻回して作製することができる。カソード複合体62は、金属基材65上にコーティングされた二硫化鉄(FeS2)を含むカソード層60を含む(図4)。] 図1 図3 図4 [0043] 電極複合体13(図4及び5)は、次の方法で製造することができる。カソード60内に分散した二硫化鉄(FeS2)粉末を含むカソード60を、初めに湿式スラリーの形態で調製することができ、これを導電性基材シート65、好ましくは、貫通開口を有する又は有さない固体シートであってもよいアルミニウム又はステンレススチールのシート、の1面にコーティングして、カソード複合体シート62(図4)を形成する。湿式スラリーを導電性基材65の1面にコーティングするには、従来のロールコーティング技術を使用することができる(図4及び5)。アルミニウムシート65を用いる場合は、貫通開口を有さないアルミニウムの固体シートであってもよいし、又は、エキスパンド加工若しくは穿孔加工されたアルミニウム箔で貫通開口を有しこれによりグリッド若しくはスクリーンを形成するシートであってもよい。基材シート65の開口はシートにパンチング又はピアシング(piercing)の結果得られたものであってもよい。] 図4 [0044] 二硫化鉄(FeS2)、結合剤、導電性炭素及び溶媒を含む、上記の表1に示す組成物を有する湿式カソードスラリー混合物は、均質な混合物が得られるまで表1に示す構成成分を混合することによって調製される。] [0045] 上記の量(表1)の構成成分を比例的に増減させ、少量又は大量の一括処理分のカソードスラリーを調製することができる。したがって、湿式カソードスラリーは、好ましくは次の組成物を有する:FeS2粉末(58.9重量%);結合剤、クレイトン(Kraton)G1651(2重量%);グラファイト、ティムレックス(Timrex)KS6(4.0重量%)、アセチレンブラック、スーパー(Super)P(1.5重量%)、炭化水素溶媒、シェルソル(ShellSol)A100(13.4重量%)及びシェルソルOMS(20.2重量%)。] [0046] 湿式カソードスラリーの形成後(表1)、湿式スラリーは次に、導電性基材65の1面にコーティングされる。湿式カソードスラリーがコーティングされた導電性基材65を次に、従来の対流式オーブン(又は不活性ガス中)で乾燥させてスラリー中の溶媒を蒸発させ、これにより乾燥カソードコーティング60を導電性基材65の1面に形成する(図4及び5)。この工程を所望により繰り返し、導電性基材65の反対面も湿式カソードスラリーでコーティングする(表1)。導電性基材65の反対面の湿式カソードスラリーは次に、対流式オーブンで乾燥させて溶媒を蒸発させ、これにより乾燥カソードコーティング60を導電性基材65の反対面にも形成する。金属基材65上にコーティングされた湿式カソードスラリーの乾燥は、オーブン温度を初期温度の40℃から130℃を超えない最終温度まで約7〜8分間又は溶剤がほぼ全て蒸発してしまうまでの間、(コーティングのクラックを避けるため)徐々に調節又は上昇させて行なうのが好ましい。(溶剤の少なくとも95重量%を蒸発させ、好ましくは、溶剤の少なくとも99.9重量%を蒸発させる。)乾燥カソードコーティング60(導電性基材65の片面のみ又は両面ともに塗布したか否かにかかわらず)を次いでカレンダー加工して前記乾燥カソード60の厚みを圧縮し、これによりカソード複合体62(図4及び5)の完成品を形成する。] 図4 [0047] アノード40は、リチウム金属の固体シートから作製することができる。アノード40は、望ましくはリチウム金属(純度99.8%)の連続シートから形成される。アノード40中のリチウム金属は、少量のその他の金属、例えばアルミニウムや、カルシウムとの合金とすることができ、この金属は通常、リチウム合金の約1又は2重量%未満、及び最大約5重量%を成す。アノード活物質を形成するリチウムは、好ましくは薄い箔の形態である。したがって、合金中のリチウムは、電池の放電時に純粋なリチウムとして電気化学的に作用する。したがって、本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合の「リチウム又はリチウム金属」という用語は、そのようなリチウム合金をその意味に含むものとする。アノード40を形成するリチウムシートは、基材を必要としない。リチウムアノード40は、渦巻状巻回型電池の場合、厚さが約0.09〜0.20mm、望ましくは約0.09〜0.19mmのリチウム金属の押出成形シートから好都合に形成することができる。] [0048] 好ましくは微多孔性ポリプロピレン又はポリエチレンからなり、厚さが約0.025mm又はそれ以下の、電解質透過性セパレータ材料50の個々のシートを、リチウムアノードシート40の各面上に挿入する(図4及び5)。好ましい実施形態においては、セパレータシートは、厚さ約0.016mmの微多孔性ポリエチレン又はポリプロピレンとすることができる。微多孔性ポリプロピレンの孔寸法は、望ましくは約0.001〜5マイクロメートルである。第1の(上側)セパレータシート50(図4)を、外側セパレータシートと指定し、第2のシート50(図4)を、内側セパレータシートと指定することができる。次いで導電性基材65上に、カソードコーティング60を含むカソード複合体シート62を、内側セパレータシート50と対向するよう配置して、図4に示す平板状の電極複合体13を形成する。平板状の複合体13(図4)を渦巻状に巻回して、渦巻状電極アセンブリ70を形成する(図3)。巻回は、マンドレルを用いて、電極複合体13の延びるセパレータ縁部50b(図4)を掴持し、次いで複合体13を時計回りに渦巻状に巻回することで達成し、巻回型電極アセンブリ70を形成する(図3)。] 図3 図4 [0049] 巻回が終了すると、図2及び3に示すように、巻回型電極アセンブリ70のコア98内にセパレータ部分50bが現れる。非限定的な例として、図3に示し米国特許第6,443,999号に教示されるように、セパレータの各巻き部の底縁50aを熱成形して、連続的な膜55としてもよい。図3から分かるように、電極渦巻体70は、アノードシート40及びカソード複合体62の間にセパレータ材料50を有している。渦巻状巻回型電極アセンブリ70は、ケーシング本体の形に適合した構造(図3)を有している。渦巻状巻回型電極アセンブリ70を、ケーシング20の開口端30内に挿入する。巻回状態では、電極渦巻体70の外側の層は、図2及び3に示すセパレータ材料50から成る。追加の絶縁層72、例えば、ポリエステルテープなどのプラスチックフィルムを、望ましくは外側のセパレータ層50上に配置してから電極複合体13を巻回してもよい。このような場合、渦巻状巻回型電極70は、巻回型電極複合体をケーシング内に挿入したとき、絶縁層72がケーシング20の内面に接触する(図2及び3)。あるいは、ケーシング20の内面に電気絶縁材料72をコーティングしてから、巻回型電極渦巻体70をケーシング内に挿入してもよい。] 図2 図3 [0050] 巻回型電極渦巻体70を電池ケーシング20内に挿入した後に、次いでこれに非水電解質混合物を添加することができる。望ましい非水電解質は、非水有機溶媒に溶解されたリチウム塩LiCF3SO3(LiTFS)又はLi(CF3SO2)2N(LiTFSI)を含む。望ましい電解質溶媒は、同一出願人による2006年9月6日に出願された米国特許出願第11/516,534号に開示されている。このような電解質は、例えば、約75体積%のメチルアセテート(MA)、20体積%のプロピレンカーボネート(PC)、及び5体積%のエチレンカーボネート(EC)を含む有機溶媒混合物中に溶解された0.8モル(0.8モル/リットル)濃度のLiTFSI塩を含む溶液を含むことができる。同一出願人による米国特許出願第11/516,534号にあるように、ヨウ素元素を、電解質の約0.5重量%を含む量で加えることが望ましい。電解質混合物は、渦巻状巻回型電池の場合、望ましくはFeS21グラムにつき電解質溶液約0.4グラムを基準として添加する(図2)。別の望ましい電解質は、同一出願人による米国特許出願第11/494,244号にあるように、1,3ジオキソラン(75体積%)及びスルホラン(25体積%)の溶媒混合液に溶解されたLi(CF3SO2)2N(LiTFSI)塩の混合物を含む。] 図2 [0051] 電池の正極端子17を形成するエンドキャップ18は、金属タブ25(カソードタブ)を有してもよく、金属タブの面のうち一方をエンドキャップ18の内面に溶接することができる。金属タブ25は、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。カソード基材65の一部が、その最上縁部に沿って張り出して、図2に示すように、巻回渦巻体の最上部から延びる延長部分64を形成していてもよい。張り出したカソード基材部分64は金属タブ25の露出面に溶接することができ、その後、絶縁ディスク80の周縁部85を間に介在させてケーシング周縁部22をエンドキャップ18周りに加締めて、電池の開口端30を閉じる。エンドキャップ18は、望ましくは通気口19を有し、この通気口には、電池内ガス圧が所定レベルを超えると破裂してガスを逃すように設計された、破裂可能な膜を収容することができる。正極端子17は、望ましくはエンドキャップ18と一体の部分である。あるいは、端子17は、米国特許第5,879,832号に記載の種類のエンドキャップアセンブリの頂部として形成されてもよく、このアセンブリは、エンドキャップ18の表面の開口部内に挿入され、次いでそこに溶接され得る。] 図2 [0052] 金属タブ44(アノードタブ)は好ましくはニッケル又はニッケルめっきスチールからなり、リチウム金属アノード40の一部分に押しこむことができる。アノードタブ44は、渦巻体内のどの箇所でもリチウム金属内に押しこむことができ、例えば、図5に示すように、渦巻体の最外層でリチウム金属内に押しこむことができる。アノードタブ44は、その片面をエンボス加工して、リチウム内に押しこまれるタブ面上に複数の凸部を形成することができる。タブ44の反対面は、図3に示すように、ケーシング側壁24の内面又はより好ましくはケーシング20の閉口端35の内面のうちいずれかのケーシング内面に溶接することができる。アノードタブ44は、ケーシングの閉口端35の内面に溶接することが好ましい。なぜならば、電気スポット溶接プローブ(細長い抵抗溶接電極)を電池コア98内に挿入することによって簡単に達成できるからである。溶接プローブは、電池コア98の外側境界の一部に沿って存在するセパレータスタータタブ50bに接触させないように注意する必要がある。] 図3 図5 [0053] 一次リチウム電池10はまた、所望により、エンドキャップ18の下に配置されて、カソード60とエンドキャップ18との間で直列に接続されたPTC(正温度係数)デバイス95を具備していてもよい(図2)。かかるデバイスは、所定レベルより高い消費電流での放電から電池を保護するものである。したがって、電池に、異常に高い電流、例えば単3サイズ電池において約6〜8アンペアより高い電流が長時間流れると、PTCデバイスの抵抗が劇的に増大して、異常な高消費電流を遮断する。当然のことながら、通気口19及びPTCデバイス95以外のデバイスを用いて、電池を誤用又は放電から保護することもできる。] 図2 [0054] 本発明によれば、代表的な巻回型電池10のようなLi/FeS2電池において、電極の界面積に対するカソード理論容量(ミリアンペア時)比を減少させるようにカソードを設計すれば、特に高率放電時におけるカソード容量利用率を改善できることが判明した。電極界面積とは、セパレータシート50を間に介するアノード40とカソード60との間の対向面積である。カソード利用率とは、実際のカソード容量(ミリアンペア時)をカソード理論容量で除した実測のカソード効率である。(Li/FeS2電池において、リチウム金属の理論特定容量は、3861.4ミリアンペア時/gと高く、FeS2の理論特定容量は、893.6ミリアンペア時/gである。FeS2の理論特定容量は、FeS21分子あたり4Liからの4個の電子移動に基づいており、上述のように鉄元素Fe及び2Li2Sの反応生成物をもたらす。FeS2の実際のカソード理論容量はしたがって、カソード中のFeS2重量×FeS2の理論特定容量である。) Li/FeS2電池を、本発明に従い、界面積に対するカソード理論容量を減少させるように設計すると、カソードを実質的により薄くすることができる。これにより、例えば電池をデジタルカメラ駆動に使用するシミュレーションなどの特に高率の放電条件において、カソードの利用率が向上し電池電圧が高まる。] [0055] カソード利用率の増加及び負荷電圧の増加をもたらすLi/FeS2電池設計の改善により、カソード理論容量に対するアノード理論容量(ミリアンペア時)比が1.0を超えるような量のリチウム金属をアノード中で使用することが可能になるという効果が得られる。具体的には、例えば単3又は単4サイズの電池を、界面積に対するカソード理論容量比が、カソード60がコーティングされる基材65の1面あたり約9〜17ミリアンペア時/cm2、好ましくは約11〜15ミリアンペア時/cm2となるよう設計することにより可能となる。この結果、カソード利用率が改善される。界面積に対するカソード理論容量比が基材65の1面あたり約11〜15ミリアンペア時/cm2とは、FeS2がカソード中の唯一のカソード活物質である場合、カソード中のFeS2活物質を、1面あたり約0.0123g/cm2〜0.0168g/cm2装填することに相当する。(本明細書で使用する場合の「面」という用語は、カソード60がコーティングされる基材65の各主要面を意味する。)単3又は単4サイズの円筒形電池をこのように設計することで、リチウム金属をアノード中に超過量にて、すなわち、カソード理論容量に対するアノード理論容量(ミリアンペア時)比が1.0より大きく、例えば約1.02〜1.20、望ましくは約1.05〜1.15となるよう、包含させることができる。カソード装填量の削減により少なくともカソード層60の厚みは減少しているので、従来電池に比して電池の全界面積(cm2)を増加させることができる。すなわち、カソード活物質のカソード装填量は、カソード理論容量対界面積比が基材65の1面あたり望ましくは約11〜15ミリアンペア時/cm2となるよう削減することが望ましい。したがって、全体の電池容量を減らさないためには、セパレータシート50もより薄いものとすることが望ましい。電池設計においてより薄いセパレータ50を含むことで、アノード/カソード界面積の増大で必要となる、より大きなセパレータの全体面積、及び、より多いカソード箔基材65の量を収容することができる。これにより、全体の電池容量を減らすことなく、より薄いカソード及びアノードを使用することが可能となる。] [0056] 本発明の上述の設計条件下ではカソードがアノードより前に満容量まで放電するため、アノード表面上には充分なリチウムが残留するので、アノード材料が分断される問題を避けることができる。アノード対カソードの理論容量比が1.0未満であると、アノード材料の分断が起こり得る。アノードの分断は、アノード40と集電タブ44との間の電気接続切断につながり、更に電池性能の崩壊原因となる可能性がある。] [0057] 前述の説明に従い製作した単3サイズの円筒型試験電池を、本発明の具体的実施形態の代表例とする。単3試験電池は全て同一のもので、次の仕様に従って製作した。] [0058] カソードは、本明細書で先に説明したように、湿式カソードスラリーの形態で、アルミニウム箔基材65の両面にコーティングした。アルミニウム箔の厚さは約15マイクロメートルとした。湿式カソードスラリーをまず箔基材65の1面にコーティングし、次いで本明細書で説明したように乾燥させた。湿式カソードスラリーを次いで基材65の反対面にコーティングし、次いで乾燥させた。乾燥カソードコーティング60を次いでカレンダー加工してコーティングの厚みを圧縮し、これにより基材65の両面に乾燥コーティング60を形成して、カソード複合体62を得た。カソード複合体62は全体の厚みが約0.124mmで、これは基材65(15マイクロメートル)及び基材65両面の乾燥カソードコーティング60の厚みを含む。乾燥カソードコーティング60の組成物は次の通りとした。FeS2粉末(パイロックス・レッド(Pyrox Red)325)88.7重量%、アセチレンブラック(ティムカル社(Timcal Co.)製スーパー(Super)P)2.3重量%、グラファイト(ティムカル社(Timcal Co.)製ティムレックス(Timrex)KS6)6.0重量%、結合剤(クレイトン・ポリマーズ社(Kraton Polymers)製クレイトン(Kraton)G1651)3.0重量%。カソード中のFeS2粉末は、1面あたり約12.86ミリアンペア時/cm2の理論容量に等しい量である1面あたり約0.0144g/cm2を装填した。電池のアノード/カソード全界面積は、基材65の1面あたり約150cm2又は全体で300cm2であった。(1アンペアの高率消費電流では、これは約0.0033アンペア/cm2の電流密度に相当する。)電池中の放電可能なFeS2の全装填量は、1面あたり約0.0144g/cm2×1面あたり150cm2=1面あたり2.16gとした。(本例における放電可能なFeS2全装填量は、セパレータシート50を間に介しアノードシート40と対向する基材65の両面におけるFeS2の全重量である。したがって、カソード理論容量は、1面あたり2.16g(FeS2)×893.6ミリアンペア時/g×2面=3860ミリアンペア時となる。] [0059] アノード40は、アノード対カソードの界面理論容量比を約1.02とするに充分な厚みを有するリチウム金属シートから形成した。したがって、電池中の放電可能なリチウムの理論容量は1.02×3860ミリアンペア時=3937ミリアンペア時であった。したがって、電池中の放電可能なリチウムの重量は、3937ミリアンペア時÷3861.4ミリアンペア時/g=1.02gであった。セパレータは、約0.016mmの厚さを有する微多孔性ポリエチレンシートから形成した。電池に添加した電解質は、同一出願人による米国特許出願第11/494,244号にあるように、1,3ジオキソラン(75体積%)及びスルホラン(25体積%)の溶媒混合液に溶解したLi(CF3SO2)2N(LiTFSI)塩(0.8モル/リットル)の混合物を含むものとした。] [0060] 単3試験電池を充填後、電池容量の約3%の放電深さまで僅かに予放電させ、次いで室温にて3日間貯蔵した。次いで電池に、以下に説明するデジカメ試験を施した。] [0061] デジタルカメラ試験(デジカメ試験)を用い、単3試験電池を約1.05Vの終止電圧まで放電させた。] [0062] デジタルカメラ試験(デジカメ試験)は、電池にパルス放電を数サイクル印加して各試験電池に電流を流す、次のパルス試験手順からなり、各サイクルは1.5Wパルスを2秒間、その直後の0.65Wパルスを28秒間、の両方からなる。これらのサイクルを10回繰り返した後、55分間静置する。次いで、終止電圧に到達するまでこのサイクルを繰り返す。(1度目のパルスは写真を1枚撮影するのに要するデジタルカメラ駆動を模し、2度目のパルスは撮った写真を見るための駆動を模している。)1.05Vの終止電圧に到達するまで、このサイクルを続ける。これら終止電圧に到達するのに要した1.5Wパルスの総数を記録した。約1.05Vの終止電圧に対する試験電池のこれらパルスの平均数は約644であった。これは、本発明に従って製作されたこれらLi/FeS2電池の優れた性能を表していると考えられる。電池放電は、意図しない遅延や中断なしに、円滑に行われた。これにより、リチウム層表面に不連続部が発生していないことが示された。] 実施例 [0063] 本発明について特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、当然のことながら、本発明の概念から逸脱することなくその他の実施形態も可能であり、すなわち、その他の実施形態は本発明の特許請求及び均等物の範囲内にある。]
权利要求:
請求項1 ハウジングと、正極端子及び負極端子と、アノード活物質としてリチウム金属及びリチウム合金のうち少なくとも1つを含むアノードと、カソード活物質として二酸化鉄(FeS2)を含み、かつ、導電性炭素を更に含むカソードと、を具備する一次電気化学電池であって、前記電池が、前記アノードとカソードとの間にセパレータを更に含み、前記電池が、前記アノードの理論容量(ミリアンペア時)を前記カソードの理論容量(ミリアンペア時)で除して得られる比が1.0より大きいようにバランスがとられた、一次電気化学電池。 請求項2 前記カソードが、基材両面にコーティングされた二硫化鉄粒子含有のコーティングを含む、請求項1に記載の電池。 請求項3 前記アノード及びカソードが、前記セパレータを間に介した巻回構成である、請求項1に記載の電池。 請求項4 前記アノードの理論容量が、アノード中の全てのアノード活物質の理論容量を含み、前記カソードの理論容量が、カソード中の全てのカソード活物質の理論容量を含む、請求項1に記載の電池。 請求項5 前記カソード活物質が本質的にFeS2からなる、請求項4に記載の電池。 請求項6 前記アノードの理論容量を前記カソードの理論容量で除して得られる比が約1.02〜1.20である、請求項1に記載の電池。 請求項7 前記アノードの理論容量を前記カソードの理論容量で除して得られる比が約1.05〜1.15である、請求項1に記載の電池。 請求項8 前記アノード中のリチウムのミリアンペア時理論容量を前記カソード中のFeS2のミリアンペア時理論容量で除して得られる比が約1.02〜1.20であり、前記リチウムの理論容量が理論特定値3861.4ミリアンペア時/gに基づき、前記FeS2の理論容量が理論特定値893.6ミリアンペア時/gに基づく、請求項1に記載の電池。 請求項9 前記電池が単3サイズの円筒形電池である、請求項1に記載の電池。 請求項10 前記電池が単3サイズの円筒形電池であり、アノードとカソードとの間の界面面積に対するカソード理論容量比が、前記基材の1面あたり約9〜17ミリアンペア時/cm2である、請求項2に記載の電池。 請求項11 前記電池が単3サイズの円筒形電池であり、アノードとカソードとの間の界面面積に対するカソード理論容量比が、前記基材の1面あたり約11〜15ミリアンペア時/cm2である、請求項2に記載の電池。 請求項12 前記電池が単3サイズの円筒形電池であり、アノードとカソードとの間の界面面積が約250〜400cm2である、請求項10に記載の電池。 請求項13 前記電池が単4サイズの円筒形電池であり、アノードとカソードとの間の界面面積が約150〜400cm2である、請求項2に記載の電池。 請求項14 前記セパレータが、約0.008〜0.025mmの厚さを有し、ポリエチレン又はポリプロピレンを含む微多孔性材料から形成される、請求項1に記載の電池。
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同族专利:
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-17| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20111116 |
优先权:
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